南八ヶ岳/石尊稜 山行報告

   ★★2017年度 初級登山講習会★★

   ◎バリエーションルートの歩き方と岩登り◎

第一回 4/16 六甲山 芦屋川駅集合 道畔谷~キャスルウォール
装備・読図・三点支持・簡単な岩登り

第二回 5/7 六甲山 御影駅集合 西山谷~保塁岩
沢筋の歩き方・アルパインクライミングとは

第三回 5/21 六甲山 芦屋川駅集合 地獄谷~ブラックフェース
岩登り・マルチピッチとは 
 
第四回 6/4 行先未定
テント泊 テント設営~生活術・縦走とは

※参加条件 一般登山道を5時間以上歩ける人・一般登山用具をお持ちの方
講習会会費 無料  ヘルメット、ハーネスを持参下さい(無い方はお貸します。)

入会の有無、講習会に関係なく興味ある方は 例会にお立ち寄りください。
同時にハイキング参加も随時行っております。(体験ハイキング可能)

例会は毎月第二水曜日 19時40分より。
場所は森ノ宮のANNEX PAL法円坂  大阪市中央区法円坂1-1-35  TEL06-6943-5021
随時、縦走登山、沢登り、岩登り希望の方も募集しております。
初心者から丁寧に指導致します。まずは気軽にご相談ください。

講習会参加、入会に際しての連絡、
質問等は例会に直接お越し頂くかメールにて saffran@hotmail.co.jp 藤原、徳田までお気軽にお問い合わせ下さい。
  <会費等詳細> 入会金1000円 会費1000円/月 (入会時のみ3ヶ月前納)
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



南八ヶ岳/石尊稜(2015. 3/14~15 前夜発)

初めてのプチ本チャンルートは阿弥陀南陵、初めての厳冬期テント泊は天狗岳だったということもあり、八ヶ岳は私にとって印象深く愛着のある山域だ。
今回訪れた石尊稜は八ヶ岳南部の横岳の西壁にある岩峰である。変わった名前なので調べてみると、石尊とは昔の山岳信仰から由来した「神々が降り立つ岩石」という意味があるらしい。よって石尊峰とは神々が降り立つ峰となる。何となく神秘的な印象を持った。

登攀ルートについては、昨年の岳人1月号特集「ハイグレード八ヶ岳」によると、岩場と雪稜を抜けた稜線に出る明るく快適なルートと説明されており、初心者向とあったので最初の核心も多少不安だが、セカンドで登れば何とかなるだろうと当日まで気楽に考えていた。

3月14日に美濃戸口から入山。小雪がちらつく天候だったため、初日の行動は取付までの偵察のみと決まり、テントを設営し下部岸壁へ向かった。中山乗越へ向かう樹林帯の切れ目から沢沿いを左に折れ登り出す。急登すること一時間、先頭を歩いていたKさんからトレースが無くなったとの声が聞こえた。リーダー3人が真っ白な雪壁を見極め順に登って行かれたので後に続く(もうすでに登攀しているような斜面だった)。
下部岸壁に近い雪壁の上部まで登り取付地点を目視で確認すると明日の準備は万端。 25mほど懸垂で戻った。 ベテランのお三方は軽く下見してきた感じの様子で談笑しながら下って行かれが、私にとっては真剣なトレーニング並みの運動だった。 三叉峰ルンゼへの分岐の手前で、Sさんが慣れた手つきでダケカンバに赤テープを付けておかれた。 雪が降っているので、万が一明日トレースが消えてしまった時の目印のためだろう。
バリエーションルートを歩くためには地形判断はもちろんのこと、気象に応じてルートの変化を予測し、万が一に備えた準備など、技術・体力以外の様々な知識が必要になるのだと感じた。 これは昨日今日登山をはじめた私などが思いつくはずもないが、いずれは習得できるようになりたいと思う。

3月15日、いよいよ登攀当日を迎える。
ここ2週間ほど風邪が治らなかったが、久しぶりにたくさん寝たせいか、または昨晩の宴会が楽しかったせいか? 歩き出してみると体は軽く、すっかり体調は良くなっていた。 とは言っても歩くのは遅い(笑)。
相変わらずリーダー陣の後をヨロヨロついて取付へ歩を進める。
暗い中ヘッドライトの光りで周りの雪がキラキラ輝いているのを見ると、昨日はうんざりした急な登りも何故か楽しく感じられる。 だんだん東の空が明けてきたが、西側の取付付近はまだ暗く、見上げる青白い石尊稜は昨日見たよりも峻険で厳かだ。
先行のSさん、Kさん組が登り出す頃には後方からガイドと顧客のパーティーが追い付いてきた。ゆっくりしている暇はない。お二人はあっという間に登って行ってしまったので、手早く確保態勢をとりリードのTさんを見送る。 Tさんもすぐに岩陰に消えてしまった。
残された私の手元をガイドさんがじっと見ているのに気付いて急に緊張した。何か間違ってるのか不安になって動揺していると、以外にも気さくな方で、頼んでいないのにあれこれご教示を授かった。
( 下部岸壁の傾斜は緩く見えるがスタンスもボードも無いのでこの2ピッチに限っては中山尾根よりグレードが高いこと、ダブルアックスの正しい持ち方と岩角に上手く掛けるコツ等々)
ザイルが残り5mのところでTさんからビレー解除のコールがあった。難しいと聞いてしまったら急に登るのが恐くなったが、今さら止める訳にもいかず、勇気を出して登り始めた。
最終の2mほどは、アックスが上手く引っかかりアイゼンの前爪を慎重に確認して登った。
一つ目のランニングを無事回収して、次のランニングに向かって直登しなければいけないのだが、この先にアックスが安定する岩角がどこにも無い...。 「考えて、考えて」とぶつぶつ言いながらアックスをあちらこちらに掛けてみる。 うまくピックの先が安定する場所を探すのにとても時間がかかった。
その後も微妙な登りが続き緊張を強いられたが、半分登ったところでTさんの姿が見えて安堵した。 あと少しのところまで登ってきたが、ここで最大の課題が待ち構えていた。 胸下の高さくらいの被った岩を乗越さなければ終了点へ行くことが出来ない。
易しいルートがないか周りを覗っていると、それが分かったのかTさんに「そこしかないから頑張って登って」と励まされる。 いけるか自信はあまり無かったが、Kさんからいつも「核心は早く勝負すること」と言われているのを思い出し、「セカンドだから絶対墜ちない」と自分に言い聞かせて登ることにした。ハーネスにばっちりテンションが効いている。 Tさんが確保態勢に入っているのが分かると気持ちも落ち着き一気に乗越せた。
その後、ヨロヨロ終了点にたどり着き、長い長い1ピッチ目が終了。 気が付けばガイドさんはすでに終了点に到着していた。
ホッとした瞬間、約70cmの滑落。 不安定な終了点で気を抜いてはいけないと今後の教訓になった。
この登りだけで精神的に疲労したので喉がカラカラだったが、また足を滑らせたくないので安心できる所まで先へ進んだ。 座れるほどの場所で足場を整え、肩がらみの態勢をとりTさんに登ってきてもらう。
その場で少し休憩をとってもらい、ミルクティーをごちそうになり生き返った。
下部岸壁を過ぎると、先ほどまでの厳しさがウソのようにサクサクとアックスの決まる草付地帯に出た。
楽ではあるが傾斜はあるのでTさんリードのスタカットで登高。
傾斜が緩んだ美しい雪稜に出ると視界も一気に開けた。振り返ると乗鞍から穂高連峰、後立山連峰の山並が見渡せる大パノラマだった。
本にはナイフリッジと書いてあったが、今年は雪が多いようで思ったより幅があった。
見上げると太陽が石尊峰の右隣まで登っている。 太陽の当たる上部岸壁は彫刻のように美しく、まっすぐ伸びる白い稜線を歩いていると、先ほどの緊張はすっかり解れとウキウキした気持ちになった。
Tさんも写真撮影しながら景色を楽しんでいる様子だった。

ほどなく上部岸壁が近づいて来て、Sさん、Kさんが登り始めたのが見えた。
いよいよラスト2ピッチ。 風が強くなってきたので急ごうと、Tさんが早々に凹角に入り込んで行った。 ランニングが取れないのかカムを効かせて登って行く。ザイルがするする伸びるので、下部岸壁ほどの難易度ではないと知りひと安心。 あっと言う間にコールが聞こえ、後に続いた。 凹角は見た目に反して簡単に登れた。 その後右手に回り込むように登るのだが、露出感満点で楽しい(今回一番楽しかった場所だ)。
上部岸壁は雪が付いていない分、スタンス、ホールドを見つけるのに困ることは無かった。このあたりの岩は中岳の火山噴出物や溶岩で形成されたもので、性質は穂高と同じ安山岩だが、鉄分を多く含むので穂高安山岩より赤黒い。だから主峰が赤岳という名になったのだと納得。

最終ピッチもTさんはテンポ良くにザイルを伸ばして行った。ザイルの流れが止まったが、なかなかコールが無い。いつも手際が良いのできっと風で声が聞こえないのだと、2、3歩動いてみると、ザイルが引かれて行くのでセルフを解除して登り始めた。
ラストの草付のガーリーはダブルアックスを使うにも、二足歩行で登るのにも微妙な傾斜で悩んだが、今日はずっとダブルアックスに頼りっきりだったので、そろそろ腕の疲労が限界だった。 結局どっちつかずの何とも微妙な登り方で登りきると、Sさん、Kさんが笑顔で出迎えて下さった。 快晴の青空、立派な富士山の眺めが素晴らしい石尊峰に無事到着できて感無量だった。
後で知ったが、Sさん、Kさんを寒い稜線で随分お待たせしてしまったようだ(申し訳ない)。

登攀開始時には緊張で体が思うように動かなかったが、終えてみればただただ楽しい。 とは言ってもベテラン陣に登らせて頂いたので、自分で登れた訳ではない。
最近、山行前に同ルートのガイドプランがないかインターネットで検索することがあるが、今回の石尊稜はプライベートガイドで登ると¥95,000- もするようだ。 今回は私一人にガイドが3名付いたようなものなのだが、Sさん、Kさん、Tさんから請求が来なくて助かった。
まだまだ新人で面倒をかけてばかりなのが申しわけないが、連れて行ってもらう人か一緒に行く人となれるよう、トレーニングに励み経験を積み重ねて今回のツアー代金返済に努めたいと思う。


s-jgffjuf 117
Category: ハイキング
Published on: Wed,  18 2015 23:23
  • Comment: 0
  • Trackback: 0

0 Comments

Post a comment