2015.12.30-01 乗鞍岳
- 2016/01/01(Fri) -
仕事の都合で正月合宿に参加出来ないメンバー3名が小屋泊で乗鞍岳に行きました。
一日目に簡単なアイスクライミングをして二日目、三日目で登頂の予定でしたが、生憎の雪不足、気温高め、強風に悩まされ、全て上手く行きませんでしたが年末年始独特の雰囲気の中、年越しそば、初日の出、おせち料理、絶景な景色等々十分に楽しめました。

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人生2度目の冬のアルプス登山は乗鞍岳
12月29日【出発】
2015年の仕事を無理矢理納め、20時を少し回って大阪を出発。昨年末の燕岳に続き、今回の年越し山行は北アルプスの乗鞍岳にお世話になります。年末の帰省のラッシュにも遭わず順調に午前1時30分、松本ICを通過して本日の仮眠の宿である道の駅に到着。午前3時ごろ迄まったり前夜祭宴会を開き、就寝。眠りに就く前に夜空を見上げると、雲一つない夜空一面に冬の星座がきらめく。ワクワクして眠れないと思っていたけれど、結果的には大爆睡(笑)

12月30日【今日はランドネスタイルで♪ 乗鞍名瀑布巡り】
午前7時30分起床。乗鞍1日目はスノーシューで周辺を散策ということで、普段の山行にはないくらいのまったり出発。天気はというとこれまたとても良い天気でのどかな年末といった感じなのですが、ただこの時期にあるべきはずの雪がない。暖冬とは聞いていたけれど、雪が少ないとは聞いていたけれど…まさかこれほどまでとはぁぁぁぁぁ〜…(がっかり)
出発したものの、車窓から見える風景に真っ白な雪の姿はどこにも見えず。冬枯れの木が密集したくすんだ焦げ茶色の山の面々の中、雪と言えばガトーショコラにうっすらふりかけたシュガーパウダーみたいなうっすらした白いものが斜面にふりかかったくらいのものばかり。途中で番所大滝を見学。所々が凍っているとは言えそれでも大量の水が流れ落ちる姿に感動。周囲の立派な板状節理も中々の見応えです。自然の力ってすごい〜!スキー場のある乗鞍レクリエーションセンター周辺まで来ると、そこそこ雪の姿も見えて来たけれどやっぱり少ない。それでもそこから見える乗鞍岳だけは真っ白な雪を身にまとって私達を出迎えてくれました。雲一つない青空をバックに、その姿が本当に美しい。頂上付近に風雪が舞い上がっている姿が見えるとこちらのテンションも舞い上がります。一同歓喜。お次は善五郎の滝へ。予定ではこの滝でアイスクライミング体験ということで、初めてのアイスクライミングに期待を膨らませたものの…ここでも完全凍結には至らず、残念ながらアイスクライミングはお預けに(泣)残念だけれどもキラキラの雪景色と白樺林に「ランドネに出てくるシーンみたい〜♪」と大はしゃぎ。アイスクライミングができないのことで大幅に時間に余裕ができたので、スキー場の奥にある三本の滝を見学に。スキーの邪魔にならないようなるだけゲレンデ歩行を避け、雪に埋もれたエコーラインを歩きます。ここで自分はスノーシュー初体験。慣れは要るけれど歩きやすくて楽しい。思っていたよりも距離が長くて疲れた所で三本の滝側のゲレンデに到着し、レストハウスで休憩。ここでHさんがロールケーキとお姉さんが作ってくれたというブルーベリーのコンポートをごちそうしてくださいました。まさにランドネに出てくる様なオシャレなティータイム!存分に堪能しました。ここから道はようやく山道になり、三本の滝を見学。こちらの滝は「日本の滝百選」に選ばれているということで、三本の滝がそれぞれ流れ落ち1本の流れになる様は圧巻!水量が豊富な季節にまた訪ねてみたいと思いました。ゆる〜いランドネ的歩行(どんだけランドネ言うねん)から一転してガッツリ歩き、16時過ぎに車に戻り本日のテン場を探して再び出発。日が暮れる前に程よい場所を見つけてテント設営。Hさんが準備してくださった鶏ちゃん焼きや飛騨牛の煮込み等、ご当地名物ずらりの夕ご飯をたらふくいただいて、至福の中就寝。この心地よいまったり感を糧に(山岳会会員とは思えない発言ですね…)翌日はがんばるぞ!

12月31日【いざ位ヶ原山荘へ〜天気予報とにらめっこ〜】
乗鞍岳登頂をこの日にするか翌日にするか。天気予報では今日は曇り時々降雪。翌日も似た様なお天気。翌日の天気がどう動くかわからないのもあり、時間的に可能であれば今日登頂を目指してみようということになりました。位ヶ原山荘まではスキー場のゲレンデを超えて行かねばならないのでリフトを利用します。しかし予定していた3本のリフトのうち最後の1本のリフトが運休ということで2本のリフトを乗り継いで行くことに。6時30分起床。リフトの運転開始時刻8時30分に合わせて移動開始。
駐車場にて装備を整えいざ登頂開始。2本のリフトを乗り継いで、動かない3本目のリフトを横目に急登のゲレンデを登ります。
結果的にこの1本のリフトが使えなかった事が時間的に大きなロスになってしまいました。ゲレンデを超えても急登が続きます。
雪がちらつき始めた中、出会った人達は私達登山者以外にも山スキーを楽しむ方々の姿もありました。
位ヶ原山荘と乗鞍岳登頂の道への分岐で進路を確認し、赤布の導くままにひとまず山荘へ。こたつとダルマストーブのある素敵な山荘には12時20分に到着。昨日から小屋に滞在しているという男性2人組がいらっしゃって、お話を聞くに今日の登頂は肩ノ小屋まで行ったものの風が強く、見通しが全くきかないということで小屋へ戻って来たとの事。降雪の量も増えてきた様子。天気と時間を考慮し、この日の登頂は見合わせることになりました。お天気も翌日はよくなるという予報になっていたし、今日はひとまず山小屋ライフを満喫して翌日に期待!ここは鹿鍋が有名らしく、この日の夕食も鹿鍋!さらにお鍋以外にも鶏肉と玉ねぎのホイル焼きやブリ煮など、盛りだくさんのメニューな上に年越し蕎麦までセットされた超豪華な夕食。「多すぎ〜」なんて言っていたけどお料理はもちろん、鍋のお出汁の美味しさに白ご飯が止まりません!小屋主さんはこの時期一人で山荘を切り盛りしているらしく、忙しいのにとても親切にしてくださいました。翌日の天気は予想が届く度に良くなったりそうでなかったりと流動的で、ひとまず登頂の途上にある肩ノ小屋を目指した上で考えようということになりました。自分の不安を煽るように風がゴウゴウ唸るのを聞きながら、20時過ぎ頃就寝。

1月1日【冬山の美しさと怖さ】
5時起床。準備と食事を終え、初日の出を拝んで出発。小屋には我々以外にも6人の登山者グループがいらっしゃったのですが、どうやら登頂を目指すのは私達だけの模様。天気は良好。風は強いけれど立っていられない程でもない。予定通り登頂を目標にまずは肩ノ小屋を目指します。降り続いた雪が昨日のトレースを全く隠してしまい、Tリーダーが急登の道をラッセルしながら慎重にルートファインディングしてくださいます。息を切らして真っ白な山の中にお世話になった位ヶ原山荘が雪に覆われ童話に出てくる様な可愛い小さな姿になるまで登り詰め、いよいよ位ヶ原の雪原へ。樹林帯を抜けた瞬間、ひっきりなしに休む事無く強風が全身めがけてぶつかってきます。慣れない雪の中を必死に歩いているおかげで体は寒くないけれど、バラクラバからわずかに出ている肌が痛い。そして何より進めない。それでも風が緩んだ合間をぬって、歩く。空は真っ青に雲一つなく晴れているのに、視界が白い…風にうつむきがちになっている顔を上げると、なんともまぁ、普通見えないはずの風の姿が見えました。雪原がフワッと浮き上がって舞い上がるパウダースノーの粒子。太陽の光がそれらをキラキラ輝かせると、そのキラキラはくるっと青空の中で弧を描くように霧散してゆく…。それがまさに風の可視化。風の姿。それはゆっくりと柔らかだったり、荒々しくて激しく早いものだったり。
美しくて、摩訶不思議な光景でした。厳冬期の位ヶ原は風の遊び場なのでしょう。そんな光景に見とれつつ、肩ノ小屋の途中にあるトイレに辿り着いたのが9時。そんな中で目指す剣ガ峰は晴天の中、見た目にはがんばれば登りきれそうな様子で聳え立っていましたが…風が強く、私達にこれ以上の進行を許してくれません。頂上に舞う風雪の勢いやその他の状況から、登頂は困難とのことで、今回は下山することになりました。行きは押し戻すように吹きすさんだ風も、退路では退却を後押しするような追い風。そんな風も樹林帯が近づく頃には問題ないくらいに収まっていました。左手に北アルプスの山々を眺めつつ、地図とコンパスの指示、従って進んで行くとエコーラインに突き当たり、それを超えてさらに下ると先日観た分岐の看板に一寸のズレもなく到着! リーダーすごい!全員でバンザイ!行きはあんなに苦労した道も下山は軽快。前日につけたトレースも全て新雪で埋め尽くされ、そこを一番乗りで一気に下る。ゲレンデに戻って休憩の後、11時50分無事に駐車場到着。休暇村の温泉に冷えきった体を暖めてもらって無事に下山できたことを再確認した後、一路大阪へ向けて出発。18時45分、大阪に到着し解散となりました。

登頂できなかったのは残念だけれども、生まれて初めて観たあの恐ろしさすら感じる美しい神秘的な位ヶ原の光景や(ちょびっとだけだけど)ラッセル初体験、初めてのスノーシュー…初めてだらけだけれどもとても素敵な経験でもう充分!と書くと良い事ばかりの初めて経験のようですが、個人的に反省する点も多々あります。冬山の装備と準備の重要性を認識する事は普段ツメが甘い自分にとっては人一倍意識しておかないといけないということや、アイゼンワーク、下りの歩き方をもっとトレーニングするといった技術的な課題にも気づかされました。でもまぁ、それらも含め良い経験なのですが。今年も楽しみながらしっかりと登山の知識と技術を身につけられる山行ができるようがんばりたいと思います。山を目指す全ての人にとって楽しく安全な山行となる1年になることを願ってやみません。


落差40m、荒々しい番所大滝 標高1248m
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善五郎の滝 滝が氷結していなく予定していたアイスクライミングはお預け 標高1525m
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見学のみになりました
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周りは春の陽気のようでした。白樺の森が綺麗です。
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エコーラインより乗鞍岳を仰ぐ (晴天だがこの日も登頂は厳しかったと聞きました)
明日はあのテッペンに行きたいな。
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折角なので乗鞍三滝と呼ばれる滝を三つ制覇するため三本滝に向かいます。通常はリフトを乗り継いで行きますが通行止めになっているエコーラインをスノーシューを付けて上がっていきます。
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とても暖かな陽気です。途中、コーヒーを飲んだり、ケーキを食べたりし三本滝に着きました。大きすぎて全景は撮れません。
日本の滝百選と県の名勝指定と言う有名な滝でした。標高1800m
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本当なら来た道を戻り、スキー場脇を歩いて帰りますが、三日目にそこを歩く予定なのでトレースのない鳥居尾根を伝い車に戻りました。(以外に大変でした)
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テントの中では、地元の鶏ちゃん焼や、飛騨牛、ひもかわうどん鍋など贅沢に食しました。
二日目、朝一番のリフトに乗り込む
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本来なら三本のリフトを乗り継いで登山口にいくのだが・・・雪不足の為、リフト最後の一本は不稼働なので歩いて登ります。
これが意外に大変で1時間もかかりました。
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冬ルートのツアーコースを登っていきます。元々バックカントリーで有名な場所。沢山の山スキーヤーの方が登っていました。
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歩き出して約3時間、標高2400mまで来ました。本当ならここから剣ヶ峰を目指してもよかったのですが天気が悪く、本日の登頂は諦め小屋に向かいました。明日は広大な雪原からこの看板目がけ、ピンポイントで下山してしなくてはなりません。これより上部は赤札も登山道もありません。
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位ヶ原(くらいがはら)小屋に着きました。1泊2食で8000円は安いですね。
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蒔ストーブがあったり、こたつがあったりで・・・暖かい。私達はこたつの中で夕食まで持ってきた、いちごを食べたり、ビールを飲んだりし有意義な時間を過ごしました。この日の宿泊者は17名、内ガイド登山の方が2パーティー。
昨年行った、大人数の燕岳と違い、ここはとても静かな雰囲気。やっぱり冬季の乗鞍岳は難しいのかと認識しました。
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元旦の天気は晴れ予報、最低気温マイナス22度ですかー!この小屋は携帯が繋がるので調べてみたら明日の山頂部は最高18mの風が吹くとかで・・・ ん~登頂は難しいかと思いました。
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夕食 ここの鹿鍋は絶品でした。鶏肉のホイル焼き、ブリ煮などなど 最後は以外に量が多かった、年越しそばも頂きました。
大満足でした。
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朝食 おかわり自由なお雑煮、かずのこ、黒豆、あまご?と山小屋おせち料理でした。おとそまで頂きました。
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寒い中、小屋裏で初日の出を待ちます。
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今年は初日の出が見れました。
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昨夜は雪が少し積もりトレースが完全になくなっていました。スノーシューを履き、ルートファイティグしながらラッセルしていきます。
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トレースを刻んでいくのは楽しいですが 風が強いです。
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山頂部が見えてきました。風に煽られ視界が悪い。
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トイレのある場所までやってきました。ここに来るまで少しだけ顔の露出があったので毎回よくやる凍傷の兆しがありました。
辺りは風がゴウゴウと唸り、時折吹く突風、厳しい条件です。標高は2700mまで来ました。山頂まであと300m。肩の小屋までは通常30分で行けますが、この向かい風だともう少し時間がかかりそうです。ましてはそこからはアイゼンの世界。新人さんも居たので深追いはせずに今回は登頂を諦めました。s-2015.12.30-01 乗鞍岳 122


帰ると決めたら追い風に押され下山は早いです。
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裾野に広がる位ヶ原雪原があまりにも綺麗です。何度も振り返りながら次回またチャレンジしたいものです。
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この雪原から昨日見たあの看板までピンポイントで降りなければなりません。視界は良好なので間違う事はありませんが、ホワイトアウトなら下山は難しいと思いました。ルートの難しい乗鞍岳、冬季の3000m登頂はなかなか一筋縄ではいかないと思いました。
無事、看板まで戻りました。
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後はフカフカの雪をスノーシューで楽しみ下山しました。
今年も宜しくお願いします。
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