2016.10.30 大峰・上多古川 矢納谷/沢登り

  
[日程] 2016年10月30日(日)*前夜発
[参加] 5名
[行程]
10月29日(土)21:10大阪発 → 22:30吉野郡川上村(仮眠) 
10月30日(日) 05:30 仮眠地 → 矢納谷出合 07:00(570m) →07:10 矢納滝 →08:40昇竜ノ滝→10:10赤ナメクチキノ滝→11:10コウリンノ滝(1117m)12:00→左岸杣道→14:05矢納谷出合

[報告]
大峰・矢納谷は奈良県吉野川水系上多古川の支流。大峰一帯は古くから修験の場として知られ、役行者が開いた山上ヶ岳は修験道発祥の地、言わずもがな我が国唯一の女人禁制の山である。
そんな神聖な山上ヶ岳に端を発する矢納谷はさぞ清らかで美しい沢に違いないと、濡れるにはもう寒い時期であるが参加することにした。
山上ヶ岳の女人結界門のあるレンゲ辻の標高は約1500m、今回の計画は沢を詰めず標高約1100mのコウリンの滝までであるため修験の神様?に叱られる心配はない。
土曜夜森ノ宮に集合。たった2時間程度のドライブで満天の星空が広がる川上村某所へ到着。
現地の気温は6℃、着いて早々防寒着を着込みテントを設営。このメンバーですぐに仮眠する訳がなく持ち寄りの酒でさんざん盛り上がる。深夜1時半、まだ飲み足りないとダダをこねる一名を残し消灯。
翌朝、寝坊することなく予定通りに起床。 寝不足だが天気が良いのでチームの士気は高く、Mさんの絶妙な運転さばきで林道終点まで車を乗り入れた(林道歩きが省略できて有難い)。
駐車地点から既にこの沢の名前でもある矢納滝が見えており、進むべき方向は非常にわかり易かった。
左岸から矢納滝にアプローチし、いきなりの美瀑を写真におさめてから高巻く。1カ所滑りやすい岩の斜面のトラバースでHさんにお助けを出していただいた。
滝の落ち口を過ぎた地点で入渓。大峰の沢へ来るのは初めてだが主に緑色岩類、泥質岩などで形成される黒い巨岩のゴーロが続いており、力強い景色は行者が滝行をするに相応しい厳粛な雰囲気である。
気温が低いため極力濡れないよう連続する小滝を通過し、2段10m滝手前で再び左岸の杣道を進んだ。
色んな記録に登場する「朽ちたはしご」はやはり朽ちてグラグラしていてザイルの確保で登高。梯子の先は緩傾斜ではあるが微妙にすべるスラブ岸壁で注意を要した。
杣道から沢へ降り立つとすぐに昇竜滝(40m)が見えた。 手前に4mの小滝があるため実際よりも高いところから落ちているように感じる。名付けた人は緩やかなS字状の滝が天に登る竜の姿に見えたのだろう。
滝見を終えると来た道を少し戻り、左岸のルンゼを高巻いた。大きな滝がいくつもあると巻くのが大変である。このような距離の長い高巻きを「大高巻き」と言うのだと教わった。
昇竜の滝を越えて沢に戻ると、そこは穏やかな平流で渋い高巻の緊張が瞬時緩和した。滝の落ち口のほうを振り返ってみると北北東に位置する勝負塚山が色鮮やかに紅葉しているのが見えて一同から歓声があがる。付近をよく見ると右岸の木々にも紅葉が出始めていた。特に赤い紅葉が繊細で美しかった。 地図ではこれまで通ってきた左岸には針葉樹が多く、右岸には広葉樹が多いようになっていたが、その通りだなぁと妙に納得した。
しばらく平和な流れを進んでいくと大きなグリーンの釜を持つ滝が現れた。泳げば突破できるそうだが先はゴルジュ帯となっていてやや厳しいとのこと。誰も突破の名乗りを挙げず左岸から高巻くこととなった。
ゴルジュ帯を巻ききった地点から懸垂下降で沢に戻ると、突如大迫力の連瀑帯が現れた。蓄積岩のチャートの成分が多いのか茶褐色の岩質からなるアカナメクチキ滝(20m)が見える。「アカ」は赤い岩、「ナメ」はナメ滝だとすぐに連想できたのだが「クチキ」とははて? あたりに朽ちた木は見当たらず、自宅に帰って色々検索してみたが未だ謎は解けないままである。
手前にはナメの傾瀑、右手には輝くガラスのような飛沫を放つ25m滝を配し、純白の瀑布が釜に落ちて無数の碧玉の流水に変化する様はとても神秘的で、聖なる山上ヶ岳を流れる沢に相応しい名瀑だと思った。
ここでまたザイルを出し、ナメの傾瀑をHさんがリード下さった。近くに適当な木などが無いので、右岸に張られていた直径4cmほどの鉄のワイヤーでセルフを取り確保。 滝の景観を損ねる人工物で邪魔だが、ビレイ点としては頑丈で有効だった。全員安全に通過し、右手の急なルンゼからアカナメクチキ滝を高巻いた。
滝を巻くと何度も言ってしまうと、さも簡単なような気がしてしまうのだが、登山道で難所と言われる場所とはかけ離れたレベル。 ここの高巻きは土の急斜面をずーっとトラバースしなければならず、すがる灌木も乏しいのでひとたび滑ると遥か下の沢へ転落するしかない。我らがリーダーは事も無げに驚異的なスピードで先頭を突き進んでいくが、ヒヨッコの私に真似できる訳がなく、核心では息を止めてそろりそろりと通過。
ふと「まさかここを下ったりしませんよねぇ?」と質問してみると、「下りますよ」との事。帰りたいのに帰りたくない複雑な心境だ...。
そうこうしていると沢はゴーロ帯から数えきれない小滝が幾重にも連なる超連瀑帯へと変貌。
苔の緑はより一層冴え、秘境感に満ちている。自然にできたとは信じがたい幻想的な眺めにため息が出た。足元は相変わらず危険だがこの美しい景色を見逃す訳にはいかないのでいろいろ注意をはらうのに大忙しだった。
ゴーロの連瀑帯の終点付近から沢に戻り、1ヶ所非常に滑りやすい大岩を乗越すと今回の目的地であるコウリン滝が見えた。光輪から由来しているのか?辞書でしらべると「超自然的な崇高さを表現するものとして使われている」とのこと。急峻な谷の奥で巨岩群に守られて流れている様は確かに近寄り難い崇高な印象だ。
昼にはやや早いが安全地帯でコウリン滝を愛でながら食事を摂った。
下山は高巻きしてきた危ない斜面を巻き下り、廃道と化した不明瞭な杣道を細心の注意で下降。約2時間で林道終点へ戻ることができた。

秋晴れの中、愉快なメンバーと大峰の渓谷美を堪能できて大満足。
皆様大変お世話になりありがとうございました。

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矢納滝
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昇竜の滝 40m
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赤い両門
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赤ナメクチの滝
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コウリン滝
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Category: 沢登り
Published on: Sat,  05 2016 19:26
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