2017.07.15-17 大武川本谷沢登り/南アルプス
参加者 5名

1日目(晴れ)→大武川のそばにある篠沢大滝キャンプ場近くに駐車。大武川林道を歩く。赤薙沢出合付近から入渓(このすぐ手前で堰堤新設工事)滝ノ沢を越えてから巨石の滝4mが出てくるが、ここは左岸の岩のバンドを空荷で抜け、その上を高巻き。その滝から少し歩いた所にある河原で幕営。

2日目(晴れ)→幕営地からナメ滝をこなすとヒョングリ滝が出てくる。この滝は左を巻く。カラ沢を越えて2段10m滝は右から巻き、その先は踏み跡をトラバース。
次に出てくる横手の滝は登れないので、一旦戻り、右岸を高巻きする。前栗沢、中栗沢出合を通り、奥栗沢手前にある2条6m滝は左から登る。本谷から摩利支天前沢に入り、右岸の支流を高巻き。早く沢に降りすぎ、六町の滝の上部へ。そこにある10mの滝は少し離れた左から高巻きを始め、途中から近付き、落ち口に辿り着く。その上の4m滝は、右の大岩を巻く。この付近で幕営。

3日目(曇り一時小雨)→摩利支天沢を通過したあと、水晶沢に入る右岸にあるガレ場を過ぎてからすぐに高巻き、仙水峠へ。あとは、登山道を使い、北沢峠のバス停に辿り着く。

7月14日2120吹田IC、040テント場(飯田市内)
7月15日920篠沢大滝キャンプ場、1010朴ノ木橋、1120赤薙沢出合、1300滝ノ沢、1350テント場  
7月16日600テント場、620カラ沢、645二段10m、920前栗沢1000中栗沢、1105奥栗沢、1200摩利支天前沢、1515テント場
7月17日530テント場、555水晶沢、700仙水峠、755長衛小屋、845北沢峠


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本来の計画は、尾白川黄蓮谷であったが、グレードを落とし、日程に余裕を持たせた上で、この谷の近くにあり甲斐駒ヶ岳からのびる黒戸尾根の南側にある大武川本谷に変更した。

連日暑さが続き、梅雨明けも間近い大阪を出発。現地までは遠いので今回は飯田ICで降りて、いいテント場を見つける。さすがは、長野県。かなりの涼しさで半袖では冷える。早速、中に入り宴会。「いや~旨い」テント内では、やはりコッフェルに入れたビールに限る。いつものように時間は、みるみる過ぎていく。2時40分就寝。

7月15日(土)
5時10分起床し、30分後に出発。篠沢大滝キャンプ場までは、約3時間かかる。明け方は、ヒンヤリして曇っていたが、ここに着くと快晴。駐車地は、日射しを遮るものがないので暑い。準備を済ませ、ここから大武川林道を歩く。歩き始めこそ樹林の中で涼しかったものの、途中からまともに太陽光を受ける。重い荷物に緩やかな登り。額からは、汗が流れ落ちる。はるか下に流れる大武川の水の流れを見ながら、早く沢に入りたい気持ちを抑えつつ歩く。かなり立派な朴ノ木橋を渡ったところにある木陰で1本とる。各自着いたと同時にペットボトルを取り出し、喉の渇きを潤す。ここまで約50分。入渓まで同じくらい歩かなければならない。幸い右岸は木々が多く、暑さは半減した。道は、次第に下り、沢に近付いていく。そして駐車している車が増え始めるとその先は、堰堤新設の工事現場で、車は現場関係者のものだったことがわかる。作業員に事情を説明し、誘導してもらい、堰堤の骨組みの中を通過する。
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ここを抜けるとすぐに、赤薙ノ滝が見えた。ここで沢タビに履き替え入渓。
白い岩に透明の水、釜はエメラルドグリーンでとても美しい。日射しがさらにそれを映えさせる。テンションは一気に上がる。さらに小滝が時々現れ、我々の目を楽しませてくれる。
この場所にするまで、直前まで悩んだが、来てよかった。進んでも進んでも続く素晴らしい渓谷美に酔いしれながら歩く。
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しばらくすると大岩の滝が現れる。この滝に行くには、手前にある岩から降りなければならない。スタンスが乏しく微妙なので、ここは懸垂下降する。滝は左から直登出来る。
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滝ノ沢出合で1本とる。この先にいいテント場があれば、そこにすることに決める。時間は余裕がある。2段4m滝を左から登り、さらに進むと大岩が出てくる。
この裏には4m滝が隠れている。この滝は、流れが激しく釜も深いので登れない。左岸を見ると大岩に絶妙なバンドがある。被っているので立つことは出来ないが、空荷でしゃがみ込み抜ける。ここから高巻きして、滝上に。そこにいい場所があったので、テント設営。天気は次第に雲が広がるが、全く支障がない。ビールはないものの酒とワインで十分。おいしい料理を食べ、楽しいひとときを過ごす。陽が沈みあたりが薄暗くなり始めた頃、Kさんの「熊がいる」の声。斜面に生える木々の間から黒い物が動いているのが見えた。沢で熊を見たのはこれが初めてだが、小さいことと離れていたこと、さらにすぐに去っていったこともあり、あまり恐怖を感じなかった。次第にあたりは暗くなり始め就寝となる。


7月16日(日)
4時20分起床。薄曇りで月が見える。予報は今日から下り坂だが、何故か雨が降る気がしない。来る前に見た予想天気図では、梅雨前線は日本海に停滞。夏の主役の太平洋高気圧が南海上で勢力を維持している。前線が南下さえしなければ、天気は持つかもしれないとの思いもあった。テント場から歩くとすぐにヒョングリ滝が現れる。
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ひょんぐるとは、「跳ね返る」「跳ね上がる」という意味の丹沢地方の方言だそうだが、その名前がつくほど水の勢いはないように見えた。この滝は左から巻く。相変わらず、花崗岩の白い岩と透明の水の美景が続く。
左岸にあるカラ沢を過ぎ、小滝を過ぎると、2段10m。ここは右を巻く。落ち口では、流れが激しいので、女性には、お助け紐を出す。この先がゴルジュで4m滝が出てくる。しかし岩がツルツルで登ることは出来ない。左を巻き、踏み跡を歩く。沢に再び降りて進むと10m横手の滝。こちらも登れない。ここは右岸をトラバース。足場が悪くいやらしいので、ロープを出す。ある程度行った所で下降し落ち口に。ここからは美しいナメが続く。激しい流れの所があったが、慎重に徒渉。続く女性達に、お助け紐を出す。ところが、最初に行ったUさん、さらにFさんもそれぞれ足を取られて流され、びしょ濡れになった。
天気は次第に晴れてくる。高度は徐々に上がり、前面には摩利支天が出現。
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時折わき上がる雲に覆われるものの、垂直に切り立った下部岸壁はよく見える。まもなく前栗沢に着く。ここで1本。今のところペースは順調。今日も早めに辿り着きそうだ。そんな思いで出発。中栗沢を過ぎると、2条6mの滝。
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ここは左を登るが、上部がいやらしい。
ここも女性達のために、ロープを出す。「ここで出しとかんとな」
この先は出番はなさそう。ロープを出さないと沢は物足りない。傍らにいた私は、その一言に共感する。
さらに進むと摩利支天前沢出合に。あとはこの沢に入り、高巻きをするだけ。ところがそうすんなりいかないのが、沢登り。
前沢に入り、登っていく。さらに最初に現れる右岸からの支流に入る。後ろを振り返ると鳳凰三山の一つである地蔵岳のオベリスクが見えた。
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この支流はやがて枯れ、さらに登っていく。記録には、明瞭な踏み跡があると書かれていたが、今ひとつわかりにくかった。ある程度行った所で沢の方向に降りる。しかし急な斜面で足場が悪く、木や枝を持ちながらでないと難しい。かなり降りた所で沢の方向を見ると、はるか向こうに大滝が見える。その下にも滝があり、雪渓も僅かに残っていた。「ひょっとするとここは、どの記録でも断念している六町の滝の途中では。この中に入って脱出が難しければ、まずいのでは」そんな思いで不安をつい口に出す。とはいえその場所から登り返すのも危ない上に時間がかかる。トラバースも危険である。結局降りることにする。
そこには10mの滝があった。
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左からしか巻くことが出来ない。一旦滝から離れ足場の悪いガレ場をトラバース気味に進む。滝に近付くが、この先も足場が不安定のため、フイックスで通過する。その先を登ると、滝の落ち口に降りることが出来た。さらにこの上に4mチョックッストーン滝があるが、右の一枚岩を登ると落ち口に出た。ここで右方面から、本来通るはずだったしっかりした巻き道と合流した。結局、前沢から3時間を費やしてしまった。
ただ、この付近に整地をしなくていい場所があり、早速テント設営。今日も天気は持ってくれた。昨日と違い曇り空で今にも雨が降りそうな感じ。時折強い風が吹き、今日の反省をする。昨晩に続き20時就寝。いつの間にかKさんは、ツエルトで先に寝ていた。


7月17日(祝)
夜中に雨が降ったが、朝には止んだ。朝食を軽く済ませ、出発。高度は2000m近くとあって、水はさすがに冷たい。すぐに摩利支天沢が現れ、20分ほどで水晶沢に辿り着く。右岸のガレ場を過ぎたあたりから巻くことにする。この先は水がないので念のため汲んでおく。ひたすら続く森の中をゆっくりと登り、1時間ほどで稜線に出る。そこから降りていくと仙水峠へ。風が強く、霧雨が降る中、記念撮影。
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以前の私だったら、この近くにある甲斐駒ヶ岳になんとしても登りたいと思っていただろう。ましてこの山には一度も行ったことがない。しかし、今はピークハントには興味がない。それよりも沢を登る過程が楽しく思えるようになった。さらに沢登りばかりしていると登山道を歩くのが、嫌になっている。年を取るとともに山に対する自分の考え方が変わっているのを、最近つくづく感じる。その嫌な登山道を下り、長衛小屋へ。そこで沢装備を解除。
帰りは、バスで広河原へ行き、乗り合いタクシーに乗り換え夜叉神峠。いずれも臨時便が出ていたので、待つことはなかった。さらに路線バスで甲府駅手前の竜王駅を降りると猛烈な暑さに襲われる。この日、甲府の最高気温36.1度と15日に並んで今年一番だった。関東甲信地方の梅雨開けも間近のようだ。

私にとって沢2泊は、2009年9月20~22日の谷川岳の万太郎本谷以来のこと。
沢は美しく、予定通りのんびりと楽しむことができました。これもひとえに皆様のおかげです。ありがとうございました。

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