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2018.03.10-11 大同心稜~硫黄岳縦走

参加者4名

3月09日(金) 22:00 森ノ宮 → 翌02:00 駒ケ根SA (仮眠)
3月10日(土) 09:00赤岳山荘 → 11:00 赤岳鉱泉 → 大同心稜取付偵察 → ジョウゴ沢 →15:00 赤岳鉱泉(泊)
3月11日(日) 06:00赤岳鉱泉 → 06:10 大同心沢 → 09:30 大同心基部 → 11:30 台座の頭→ 13:00 赤岩の頭 → 14:00 赤岳鉱泉 → 15:45 赤岳山荘

[報告]
横岳は南北800mにおよぶ稜上に二十三夜峰、日ノ岳、鉾岳、石尊峰、三叉峰、無名峰、奥ノ院、
台座の頭というギザギザとした岩稜の連なりを持つ山。その西側は切れ落ちた一大岩壁となっており、
柳川北沢から入山する登山者が必ず目に留める特徴的な一対の聳える岩峰は大同心と小同心と呼ばれて
いる。主峰の奥ノ院を両側から護衛しているような眺めであるため、江戸時代の警備の役人名「同心」
から由来しているとのこと。
大同心、小同心とも無積雪期、積雪期ともにクライマーで賑わっていると以前から知識はあり、いつか
登ってみたいルートだが、最近は仕事に追われなかなか山へ行けない日々を過ごしているため、難易度
を下げて両峰間にあるルンゼから横岳へ登り、トレーニング不足の身でも多少のアルパイン的な楽しみ
を味わいたいとOさんに同行をお願いし計画した。

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前夜大阪を出発し順調に諏訪へ向かうと思った途端、中央道で吹雪に遭う。走行速度が落ちたらたらと
駒ケ根についたのは予定より遅い深夜2時だった。新雪積るSAで3時間の仮眠をとる。
翌朝5時に起床し道路状況を確認すると岡谷までは事故渋滞と積雪による速度規制もあり、今までの
山行で最も遅い美濃戸口到着となった。
少しでも時短を図るためOさんのご厚意で赤岳山荘まで車を上げていただき、何とか時間に余裕を持
った行動が確保され安堵。

初日は赤岳鉱泉までの予定だったが、他に色々したいことがありすぐに出発。 軽荷のため順調に鉱泉へ
到着すると登攀具を付けて翌日の大同心稜への取付を調べに出かけた。
事前調べでは大同心ルンゼから稜に取付くと思い込んでいたのだが、Oさんは裏同心ルンゼから取付
いたご経験があったので、その両方を目視で確認し翌日のルートを確定するためである。 いつもは書籍
やネットで拾った情報を頼りにバリエーションに入ることが多いが、今回は経験豊富なOさんに同行
していただいているので、基本に立ち返り丁寧に地形確認ができるというのはたいそう幸甚なことだ。
厳冬期にはアイスクライマーで賑わう裏同心ルンゼはもう融けてしまっており、流れる沢に立ち入る踏
み跡は見られなかったため大同心沢を偵察しに行くと、数名のアイスクライマーと遭遇した。聞けば大
同心大滝はまだ凍っていて登れるとの事。 我々も踏み跡を辿ってみると大滝と稜線への分岐と思われる
場所が現れた。地形図を見ながら急登を這い上がり、GPSの現在地が大同心の稜上中央を差した地点、
標高約2250mで間違いないルートであることを確認し下降。

まだ時間があっためジョウゴ沢を見物しようと硫黄岳登山道を先へ進む。 ジョウゴ沢に出合い道を外れた途端に大きく踏み抜きだし、うっかり足を置くと太ももいっぱいまで雪に足を取られた。シーズンならクライマーで賑わうF1には滾々と清流が流れており以前登った
形跡は全くない。かろうじて右岸が氷結していたため明日に備えてフロントポインティング、フラットフィッティングのアイゼンワーク、ピオレトラクション、ハイダガーポジションのピッケルワークの練習を実施。
F1を高巻きしてなおも踏み抜きながらF2手前の適地で休憩。 天気が良く風も凪いでいるので持参したお汁粉を温め皆で滝見の茶会を楽しんだ。
ジョウゴ沢を後にし、赤岳鉱泉への帰路でもう一つやりたいことがあり地形図を広げた。数年前に裏同心ルンゼへアイスクライミングに行った際、大同心稜から下降するつもりだったのに、なぜか進路を誤り裏同心ルンゼの支滝を冷や冷や下降したことがあった。以来ずっとどう間違えたのか気になっていたので地形図と地形をよくよく眺めて記憶をたどると、稜の末端付近はゆるやかなM字を描いており行くべき稜の手前に導かれてしまったことが分かった。 昨年夏の八ツ峰の時もそうだったが、何かを失敗して答え合わせをするときにはいつも快く手助けして下さるOさんの存在を有難く思う。
初日の目的を全て果たしたところでいざ赤岳鉱泉へ...。 今回は炬燵付の個室で快適な山小屋ライフを堪能するのも楽しみのひとつ。 年末から仕事に忙殺していた私にとっては、久しぶりにゆっくりと山の話をして過ごす至福の時となった。

翌朝3時起床。早く出発できるよう朝食は簡素なサンドイッチを作り、小屋の朝食が始まる前に出発。
昨日偵察した大同心沢のトレースから稜に上がる。
時間が早いので樹林帯の雪面はまだ氷結しており、ステップを切って誘導して下さった。傾斜が増した地点でザイルを出しコンテで登る。森林限界を過ぎると強い風に晒され体の芯から凍えたが、基部から見上げる大同心は横岳を守る自然の擁壁のように威風堂々とした構えで聳えており、その神韻縹渺たる眺めに圧倒された。
Oさんの的確な指示のもとで、大同心基部からフィックスを張ってルンゼへ移動を開始する。
ネットでは支点が豊富にあるとの情報通り、苦労して探すことなく比較的新しいリングボルトを見つけられて一安心。約30m小同心方面へ下降する間に2ヶ所の支点、登り返したすぐ先に終了点と思われるリングボルトが打たれていた。2ピッチ目は小同心方へのルートの途中にある小さなピナクルからルンゼに入り、約20mほど進んだルンゼ右手に次のボルト、3ピッチ目はルンゼを横断しながら登り、正面左手の岩壁にボルトが3本打たれていた。 一旦傾斜が緩んだところでアンザイレンで前進、ルンゼは次第に狭く岩々しい感じになり、先端は4mほどの凍った滝になっていた。ここも滝の手前でしっかりとした支点があり、ビレイポイントに戸惑うことはなかった。滝の落ち口すぐに顕著なボルトと残置スリングも見え、丸山さんリードでスムーズに乗越す。 滝は良く氷結しており、アックスの決まり具合も安定していてわずかながら今季最初で最後のアイスクライミングを楽しんだ(笑)。
滝の先にある岩壁を左にトラバースすると一気に視界が開け、横岳の稜線へと続く白銀の雪稜がドラマチックに広がり感嘆の声が上がった。 思わず気が緩みそうになったが、雪面はクラストしており注意して進路を取るように指示があり、一同気を引き締め直す。
前方右手に見えるピークが台座の頭であることを確認し、傾斜の緩いルートを選びつつ登高していく。
時折雪面が氷化していてアイゼンが全く効かない場所が出てきた。 少し傾斜が出てきたあたりでOさんが安全確認のため先頭を歩いてくださる。 硫黄岳への縦走路で感無量の思いに浸って写真を撮ろうと一人考えていたが、詰め上げた途端突風に体を持っていかれそうになる。登山道に出れば楽勝と安易に思っていたのだが、全方向から吹き荒れるあまりにも強い風に写真など撮る気は早々に失せ、耐風姿勢を取りつつ硫黄岳へ向かった。
普段はおしゃべりな4名であるが、あまりの寒さにすっかり寡黙になり、このメンバーにしては珍しく静かな稜線歩きを満喫して?赤岩の頭に到着。
赤岩の頭からの下降は誰が付けたか本来のルートから大きく外れていると前日小屋で情報を頂いていたが、想像より傾斜があった。前日より気温が低いせいで、踏み抜くことは少なくスムーズに赤岳鉱泉まで戻り、本日初めての大休止を取り下山。諏訪湖名物のわかさぎの天麩羅を楽しみ今年最初で最後の冬季バリエーションを締めくくった(笑)。
冬の八ヶ岳はいつ来ても楽しみの尽きない良い山であるとしみじみ思った。

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